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ペット事業のIT活用と動物取扱業登録ガイド|トリミング・ホテル

ペット事業のIT活用と動物取扱業登録ガイド|トリミング・ホテル

トリミング中で電話に出られず、留守番電話に予約の問い合わせが何件も残っている。受付の紙台帳をめくって、あの子の前回のカットと性格を思い出す。繁忙期は予約が読めず、閑散期はぱったり来ない。ペット関連事業の現場では、こうした「受付・記録・再来店」のひと手間が、毎日少しずつ時間と機会を削っています。

ペット事業でまず効くのは、次の3つです。

  1. 予約をWeb受付に変える — 施術中も24時間受け付け、電話の取りこぼしと折り返しの手間を減らす。
  2. ペットカルテを共有する — 犬種・カット内容・性格・既往歴をデジタルで残し、スタッフ誰でも同じ対応をできるようにする。
  3. 再来店の仕組みをつくる — 次回予約とリマインドで、トリミング周期や予防のタイミングに合わせて自然に戻ってきてもらう。

加えて、動物を預かる・売る事業には第一種動物取扱業の登録という法律上の手続きと、2021年に始まった数値規制への対応があります。集客やIT化と並んで、ここを外さないことが安定経営の土台になります。本記事では、現場の課題からIT・ツールでの解決、制度対応、導入手順までを順に整理します。

ペット関連事業のよくある課題

ペット関連事業の予約取りこぼしや紙台帳やリピート不安定などの課題

トリミングサロン・ペットホテル・ペットショップ・動物病院併設サービスなど、業態は違っても悩みどころは似ています。

  • 施術中・接客中で電話に出られず、予約を取りこぼす
  • ペットごとの情報・履歴が紙台帳やスタッフの記憶に頼り、属人化している
  • 会計の現金管理・釣り銭対応に手間がかかる
  • リピート(定期来店)が安定せず、繁忙期と閑散期の波が大きい
  • フード・用品の物販を伸ばしきれていない
  • 開業・更新時の登録や数値規制への対応が後回しになりがち

「うちは小規模だから」と手をつけずにいると、同じ非効率を繰り返しがちです。逆に言えば、ここは仕組みで改善しやすい領域です。

まず効く一手:予約・カルテ・会計のIT化

ペット事業のWeb予約とペットカルテとキャッシュレスPOSのIT化

予約をWeb受付に変える

トリミングやペットホテルは、施術・世話の最中に電話が鳴っても出られません。Web予約システムを入れると、飼い主は深夜でも休業日でも予約でき、こちらは空き状況の管理や前日リマインドを自動化できます。電話対応の時間そのものを減らせるのが大きな利点です。

ペット事業では、犬のサイズや頭数でメニュー・所要時間が変わったり、ホテルの宿泊日数を扱えたりと、業態特有の要件があります。どの予約システムが自店の運用に合うかは、機能と料金を並べて選ぶのが確実です。具体的な比較は予約システムの比較と選び方にまとめています。

ペットカルテ(顧客管理)で属人化をなくす

「あの子は耳を触られるのが苦手」「前回はこのカット」といった情報は、紙やベテランの記憶に頼ると、担当が代わった瞬間に対応の質が落ちます。犬種・カット内容・性格・アレルギーや既往歴・飼い主の要望を顧客管理(カルテ)としてデジタルに残せば、誰が対応しても同じ品質を保て、引き継ぎもスムーズになります。来店履歴が残るので、リマインドや次回提案にもそのまま使えます。顧客管理ツールの選び方は顧客管理(CRM)の比較を参考にしてください。

キャッシュレスと物販の効率化

会計でもたつくと、預かり・引き渡しのタイミングが詰まりがちです。キャッシュレス決済を入れると会計が速くなり、現金管理や釣り銭の手間も減ります。導入のしやすさや手数料はキャッシュレス決済の比較で確認できます。フードや用品の店頭物販を扱うなら、在庫と売上を一元管理できるPOSレジを合わせると、棚卸しや発注の判断もしやすくなります。

集客とリピートを仕組みにする

ペット事業の地域集客とトリミング周期やワクチンのリマインド

新規は地域検索とSNSで

飼い主は「地域名+トリミング」「近く+ペットホテル」のように地図で探すことが多く、Googleビジネスプロフィールの整備(MEO対策)と口コミが来店を左右します。ビフォーアフターやスタッフ・店内の雰囲気は写真と相性が良いので、Instagramでの発信が安心感につながります。診療内容・料金・予約導線を整えたホームページがあると、検索やSNSからの受け皿になります。

リピートはリマインドと次回予約で

ペット事業は「定期的な来店」が経営の柱です。トリミングの周期や、季節の予防・健診のタイミングでリマインドを送り、その場で次回予約を取ってもらう流れをつくれば、再来店が安定します。継続的な接点づくりにはLINE公式アカウントが向いており、予約システムやカルテと組み合わせると、配信のタイミングを来店履歴に合わせやすくなります。

フード・用品はネット販売も

フードは定期的に必要になるため、定期便と相性の良い商材です。店頭物販に加えてネットショップを併用すれば、来店できない遠方の顧客や定期購入にも応えられ、売上の柱を増やせます。

AI・外注で運用を軽くする

投稿づくりや問い合わせの一次対応など、続けるのが負担になりがちな作業はAI活用で軽くできます。発信そのものが続かない場合は、SNS運用代行に任せる選択肢もあります。

第一種動物取扱業の登録と数値規制への対応

第一種動物取扱業の登録と数値規制で確認する販売保管訓練と飼養管理基準

IT化と並んで外せないのが、法律上の手続きです。ここは制度の根幹に関わるため、自社の状況に当てはまるかは必ず所管自治体や専門家に確認してください。以下は環境省・自治体の公開情報にもとづく概要です。

第一種動物取扱業の登録が必要なケース

動物を扱う事業を営利目的で業として行う場合、動物愛護管理法にもとづく第一種動物取扱業の登録が必要です。対象は次の7業種で、ペット事業に関係が深いのは販売・保管あたりです。

業種主な該当例
販売ペットショップ(小売・卸)、販売目的の繁殖・輸入
保管ペットホテル、動物を預かるトリミング(美容)、ペットシッター
貸出しペットレンタル、撮影モデル・繁殖用等の動物派遣
訓練動物の訓練・調教、出張訓練
展示動物園、水族館、ふれあいパーク等
競りあっせん会場を設けて行う動物オークション
譲受飼養老犬・老猫ホーム

登録は事業所・業種ごとに、都道府県知事または政令指定都市の長に対して行います。トリミングサロンやペットホテルのように動物を預かる事業は「保管」、ペットショップは「販売」にあたるため、開業前に登録が必要です(出典:環境省・第一種動物取扱業者の規制)。

主なポイントは次のとおりです。

  • 有効期間は登録日から5年で、継続するには更新が必要です。更新を忘れると無登録営業になりかねないため、期限管理は確実に行いましょう。
  • 動物取扱責任者を事業所ごとに常勤・専属で1名以上選任する必要があります。獣医師・愛玩動物看護師の資格、あるいは所定の実務経験と要件を満たすことが求められます。
  • 標識(名札・識別票)の掲示など、事業者として守るべき事項が定められています。

数値規制(飼養管理基準)とは

2021年6月1日に施行された基準省令(いわゆる数値規制)では、犬猫を扱う第一種動物取扱業者に対し、これまで曖昧だった飼養管理の基準が具体的な数値で義務づけられました。代表的なものが、従業員1人あたりの飼養頭数の上限です。

区分1人あたりの上限(目安)
繁殖犬15頭
販売犬等20頭
繁殖猫25頭
販売猫等30頭

このほか、ケージ等の飼養施設の構造・規模(広さや高さ)、運動スペース、温湿度管理などについても基準が設けられています。施行時には一部の規定に経過措置が設けられたため、自社が対象か・現在適用される数値はどれか、といった点は最新情報の確認が欠かせません(出典:環境省・飼養管理基準について)。

繁殖や販売を行う事業者にとっては、人員配置やケージ・施設の設計に直結する基準です。数値や適用範囲は改定される可能性があるため、環境省の最新情報と所管自治体・専門家への確認を前提に進めてください。

導入の手順とつまずきやすい点

ペット事業IT化の導入手順と二重管理や更新期限忘れのつまずき

IT化と制度対応は、いっぺんに進めようとすると現場が混乱します。優先度の高い順に並べると、次のようになります。

  1. 登録・数値規制の現状を確認する — 開業・更新の予定があれば、まず所管自治体に相談し、登録状況と基準への適合を点検します。
  2. 予約をWeb受付に変える — 取りこぼしと電話対応の負担が一番大きいので、効果を実感しやすい入口です。
  3. ペットカルテ(顧客管理)を整える — 来店履歴と性格・施術内容を残し、属人化を解消します。
  4. キャッシュレス・物販を効率化する — 会計を速くし、在庫を見える化します。
  5. リマインド・LINE・SNSで再来店と新規を育てる — カルテ・予約とつながると効果が出やすくなります。
  6. フード・用品のネット販売を広げる — 回り始めたら品ぞろえを増やします。

つまずきやすいのは、ツールを入れただけで運用が定着しないケースです。たとえば予約システムを導入しても、電話予約を分けて手入力していると二重管理になり、かえって手間が増えます。受付の入口を予約システムに一本化し、スタッフの操作ルールを決めることが大切です。

カルテも、項目を盛り込みすぎると入力が続きません。最初は「犬種・カット内容・性格・注意点」など数項目に絞り、回り始めてから増やすと定着しやすくなります。登録・更新の期限管理を担当者の記憶任せにして失効する、というのも避けたい失敗です。更新時期はカレンダーやリマインドで仕組みとして管理しましょう。

まとめ

ペット事業IT活用のWeb予約とペットカルテと再来店と制度対応まとめ

ペット関連事業のIT化は、予約のWeb受付・ペットカルテの共有・再来店の仕組みという、まず効く一手から始めるのが近道です。そのうえでキャッシュレスや物販、SNS集客へと広げると、繁忙期と閑散期の波をならし、属人化のない運営に近づけます。

同時に、動物を預かる・売る事業には第一種動物取扱業の登録(有効期間5年・更新制)と、犬猫を扱う場合の数値規制への対応という土台があります。制度は改定されることもあるため、最新の数値や適用範囲は環境省や所管自治体、専門家に確認しながら進めてください。集客と効率化、制度対応の両輪がそろってはじめて、飼い主との信頼を仕組みで積み重ねられます。

「自店の業態に合わせて、予約・カルテ・集客の仕組みをどう組むか相談したい」という場合は、現場に合わせて一緒に設計できます。お気軽にご相談ください

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よくある質問

ペット事業でまず効率化すべきはどこですか?

予約受付とペットカルテ(顧客情報)の管理です。トリミングやペットホテルは電話予約に時間を取られやすく、施術中は出られず取りこぼしも起きます。Web予約システムで24時間受付に変え、犬種・カット内容・性格・既往歴などをカルテとして共有すれば、対応の質が上がり属人化も防げます。次にキャッシュレス決済とリピートの仕組みづくりへ広げると効果が出やすいです。

トリミングサロンやペットホテルにも登録は必要ですか?

必要です。動物を預かるトリミングサロンやペットホテル、ペットシッターは、動物愛護管理法上の第一種動物取扱業のうち『保管』にあたり、ペットショップは『販売』にあたります。営利目的で業として行う場合は、事業所・業種ごとに都道府県知事または政令指定都市の長の登録が必要で、有効期間は登録日から5年・更新制です。詳しくは環境省や所管の自治体窓口でご確認ください。

数値規制(飼養管理基準)とは何ですか?

2021年6月1日施行の基準省令で、犬猫を扱う第一種動物取扱業者に、従業員1人あたりの飼養頭数の上限やケージ等の構造・規模などを具体的な数値で義務づけたものです。たとえば犬は1人あたり繁殖犬15頭・販売犬等20頭、猫は繁殖猫25頭・販売猫等30頭が上限とされています。一部に経過措置があり、自社が対象か・最新の数値は環境省や自治体で確認するのが安全です。

リピート(再来店)を増やすにはどうすればいいですか?

ペット事業は定期的な来店が多い業種です。トリミングの周期や予防のタイミングでリマインドを送り、その場で次回予約を取ってもらう流れをつくると再来店につながります。LINE公式アカウントやInstagramで関係を保つのも有効です。仕組みで『次に来るきっかけ』を用意することが、繁忙期と閑散期の波をならし、安定経営につながります。

フードや用品の物販はネットでも売るべきですか?

相性は良いです。フードは定期的に必要になるため、定期便(継続購入)と相性が良く、来店できない遠方の顧客にも届けられます。店頭物販に加えてネットショップを併用し、在庫や顧客情報を店頭と連携できると運営がスムーズです。まずは売れ筋を数点から始め、回り始めてから品ぞろえを広げるのが無理のない進め方です。