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PL法(製造物責任法)とは|輸入業者・販売者の責任とPL保険の考え方

PL法(製造物責任法)とは|輸入業者・販売者の責任とPL保険の考え方

海外の展示会で見つけた商品を輸入し、自社のオンラインショップで売っている。あるいは工場に作らせた商品に自社のロゴを入れて販売している。このどちらのケースでも、「うちはメーカーではないから製造物責任は関係ない」とは言えません。製造物責任法(PL法)は、輸入した事業者と自社ブランドとして名前を出した事業者を、メーカーと同じ土俵に立たせるからです。

先に結論を3点だけ示します。

  • 輸入業者はPL法上「製造業者」そのもの。第2条第3項第1号が「製造、加工又は輸入した者」と並べて規定しており、海外メーカーではなく輸入した日本の事業者が正面から責任を負う
  • 自社ブランド(PB・OEM)で名前を出した販売者も対象になり得る。同項第2号・第3号の「表示製造業者」「実質的な製造業者」がこれにあたる
  • 過失は要件ではない。「うちは注意していた」は抗弁にならず、争点は「欠陥があったか」に移る。だからPL保険と、欠陥を出さない仕組みの両方が要る

以下、条文の要件、責任を負う範囲、欠陥の考え方、免責と時効、輸入事業者が別に負う製品安全法制の義務、PL保険の選び方、の順に整理します。

※本記事は2026年7月時点でe-Gov法令検索・消費者庁・経済産業省が公表している情報をもとにした一般的な解説です。実際に責任を負うかどうかは製品と事故の個別事情によって判断が分かれ、保険の補償内容も商品・引受保険会社・約款ごとに異なります。具体的な事案の判断は弁護士に、保険の内容は保険会社・代理店にご確認ください。

PL法(製造物責任法)とは|過失がなくても責任を負う法律

製造物責任法の欠陥と損害と事業者責任

製造物責任法(平成6年法律第85号)は、製造物の欠陥により人の生命・身体・財産に被害が生じた場合の、製造業者等の損害賠償責任を定めた法律です。1995年7月に施行されました。条文はe-Gov法令検索「製造物責任法」で全文を確認できます(全6条と短い法律です)。

責任が成立するための要件は、大きく4つです。

要件条文上の内容
製造物であること「製造又は加工された動産」(第2条第1項)。不動産や未加工の農林水産物、ソフトウェア単体は原則として外れると解されている
欠陥があること「通常有すべき安全性を欠いていること」(第2条第2項)
損害が生じたこと他人の生命・身体・財産の侵害(第3条)
因果関係欠陥と損害の間に因果関係があること

民法709条との決定的な違いは「無過失責任」

PL法がなくても、被害者は民法709条の不法行為責任で損害賠償を請求できます。しかしその場合、被害者側が事業者の故意または過失を証明しなければなりません。製品の内部構造を知らない消費者にとって、これは極めて重い負担です。PL法はこの証明対象を「過失」から「欠陥」に置き換えました。

民法709条(不法行為)PL法第3条
被害者が証明すること加害者の故意・過失製造物の欠陥
「注意していた」の抗弁通用し得る原則として通用しない
請求できる相手加害行為をした者製造業者等(輸入者・表示者を含む)
消滅時効知った時から3年(生命・身体は5年)/不法行為の時から20年知った時から3年(生命・身体は5年)/引渡しから10年

「品質管理は徹底していました」という主張は、PL法の下では防御の柱になりません。**争点は最初から「その製品が通常有すべき安全性を備えていたか」**に置かれます。

「製品が壊れただけ」はPL法の対象外

見落とされやすいのが第3条のただし書です。その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、PL法の対象になりません。買った商品が動かなくなった、部品が折れたというだけであれば、PL法ではなく売買契約の契約不適合責任として処理されます。

PL法が働くのは、製品の欠陥が製品の外側に被害を広げたとき(拡大損害)です。加湿器から出火して部屋が焼けた、玩具の部品を子どもが誤飲した、といった場面が典型です。契約側の責任分担については契約書の基礎とチェックポイントも合わせてご確認ください。

責任を負う「製造業者等」は誰か|輸入業者は条文に明記されている

PL法で責任を負う製造業者や輸入業者や表示製造者

実務で最も重要なのが第2条第3項の「製造業者等」の定義です。ここには3つの号が置かれています。

条文上の定義具体例
第1号当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(単に「製造業者」という)国内メーカー、加工業者、輸入商社・輸入して販売するEC事業者
第2号自ら製造業者として氏名・商号・商標その他の表示をした者、または製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者PB・OEM商品に自社ロゴやブランド名を入れた事業者
第3号製造・加工・輸入または販売に係る形態その他の事情からみて、実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者製造元を出さず「販売元」として自社名だけを表示している事業者 など

輸入業者が真っ先に責任を負う理由

第1号は「製造、加工又は輸入した者」を一続きで規定しています。つまり輸入業者は「例外的に責任を負う立場」ではなく、条文上メーカーと完全に同列です。

背景には現実的な理由があります。海外の製造元を日本の裁判所で訴え、判決を得て、実際に賠償を回収するのは被害者にとって極めて困難です。そこで、その製品を日本市場に持ち込んだ事業者を責任主体に据えました。

注意すべきは、海外の仕入先に求償できるかどうかは完全に別問題だという点です。日本の消費者に賠償した後、海外の工場から回収できるかは、仕入契約に責任分担条項があるか、相手に資力があるか、契約の準拠法と紛争解決地をどこにしたかに左右されます。ここは取引基本契約書の設計で先に手当てしておくべき論点です。

単なる小売・販売店はどこから対象になるか

仕入れて転売するだけの小売業者は、原則としてPL法の責任主体ではありません。ただし境界線は思ったより手前にあります。

  • 自社ロゴやブランド名を商品本体・個装箱・タグに入れた → 第2号の表示製造業者に該当し得る
  • 「輸入販売元:○○株式会社」とだけ表示し、製造元の記載がない → 第3号の実質的な製造業者と評価される可能性がある
  • 商品ページで「当店オリジナル」「自社開発」と訴求している → 実質判断の材料になり得る
  • 完全に他社ブランドのまま売っている → PL法上は原則対象外。ただし民法709条や契約不適合責任は別途問われ得る

つまり、同じ商品でもパッケージやページの表記次第で責任の有無が変わるということです。ラベル・個装・商品ページの表記を変更するときは、販促の観点だけでなく法務の観点でも確認してください。販売チャネルごとの表示責任の違いはECモール出店と自社EC、通信販売の表示義務は特定商取引法の表記で整理しています。

「欠陥」とは何か|3つの類型と判断のものさし

製造物責任における欠陥の3つの種類

第2条第2項は欠陥を、当該製造物の特性・通常予見される使用形態・製造業者等が引き渡した時期その他の事情を考慮して、通常有すべき安全性を欠いていることと定義しています。

ここで押さえるべきは、「絶対に安全であること」を求めているわけではないという点です。求められているのは「その製品に、その引渡時点で、通常期待される水準の安全性」です。裁判例の論点別整理は消費者庁「製造物責任(PL)法に基づく訴訟情報の収集」で公開されています。

欠陥は実務上、次の3類型に整理されます。

類型内容輸入品・OEMで起きやすい例
設計上の欠陥設計そのものに安全上の問題がある海外の電圧・使用環境を前提にした設計、想定体格や住環境の違いを反映していない設計
製造上の欠陥設計どおりに作られていない特定ロットの異物混入、溶接・接着の不良、部材の強度不足
指示・警告上の欠陥説明・警告が不十分で危険を伝えていない海外取扱説明書の機械翻訳、日本語の警告表示の欠落、対象年齢や禁止事項の記載漏れ

輸入品で最も現実的なのは「指示・警告上の欠陥」

製品そのものは海外で問題なく流通しているのに、日本で事故につながる。その原因の多くは3つ目にあります。原文をそのまま機械翻訳しただけの取扱説明書、日本の住環境に合わない注意書き、警告ラベルが外国語のまま貼られている、といった状態です。

設計や製造を変える権限がなくても、取扱説明書と警告表示は輸入業者・販売者の側で作り込めるという点は重要です。ここは自社の努力で欠陥リスクを直接下げられる、数少ない領域です。

また条文が「通常予見される使用形態」と書いていることにも注意が必要です。メーカーが想定していない使い方でも、予見可能な誤使用であれば考慮の対象になり得ます。「そんな使い方をするほうが悪い」という主張が常に通るわけではありません。

責任を免れられる場合と、いつまで請求されるのか

免責事由(第4条)は2つだけ

第4条は、製造業者等が次のいずれかを証明したときは賠償責任を負わないと定めています。証明の負担は事業者側にあります。

第1号:開発危険の抗弁 — 引き渡した時における科学または技術に関する知見によっては、その欠陥があることを認識できなかったこと。当時の入手可能な最高水準の知見を基準に判断されるとされており、実際に認められるハードルは高い抗弁です。

第2号:部品・原材料製造業者の抗弁 — その製造物が他の製造物の部品または原材料として使用された場合に、欠陥が専ら完成品メーカーが行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ欠陥が生じたことにつき過失がないこと。部品を供給する中小の製造業にとって重要な規定です。

第2号で見落とされやすいのが、「指示に従っただけだ」を後から証明する手段です。仕様書、設計指示書、変更依頼のメール、懸念を伝えた記録。これらが残っていなければ抗弁は立ちません。記録の残し方は文書管理システムも参考にしてください。

消滅時効(第5条)

起算点期間
被害者またはその法定代理人が損害及び賠償義務者を知った時3年間(人の生命または身体を侵害した場合は5年間)
製造業者等が当該製造物を引き渡した時10年
身体に蓄積して健康を害する物質による損害・一定の潜伏期間後に症状が現れる損害その損害が生じた時から起算して10年

10年の起算点が「引き渡した時」である意味は、実務的に大きいものがあります。引渡日を特定できるロット管理・出荷記録がそのまま防御手段になり、逆に記録がなければ「いつ引き渡したか」を自社で主張できません。

なお第6条により、この法律の規定によるほか民法の規定も適用されます。PL法上の請求権が10年で時効消滅しても、民法709条に基づく請求は要件も時効も異なるため、別途成立する余地が残ります。「10年経てば一切安心」ではないという理解が正確です。各条の詳細な解釈は消費者庁「製造物責任(PL)法の逐条解説」が公表しています。

輸入・販売事業者がPL法の外でも負う「製品安全」の義務

輸入業者と小売ECがPL法で注意する仕入れ先と表示と契約

PL法は事故が起きた後の賠償ルールを定めた法律です。事故を未然に防ぐ義務、事故が起きたときに届け出る義務は、消費生活用製品安全法(消安法)など別の法律に置かれています。輸入業者はここでも義務の主体になります。

重大製品事故は10日以内に消費者庁へ報告

消安法第35条第1項は、消費生活用製品の製造または輸入の事業を行う者は、重大製品事故が生じたことを知ったときに、製品の名称・型式、事故の内容、製造/輸入した数量および販売した数量を内閣総理大臣に報告しなければならないと定めています。報告期限は内閣府令で定められ、消費者庁は事故情報の集約等のページで「10日以内」と案内しています(2026年7月時点)。

重大製品事故の要件は消費生活用製品安全法施行令第6条が定めており、次のいずれかです。

  • 死亡
  • 治療に要する期間が30日以上の負傷または疾病、もしくは治った時に内閣府令で定める身体の障害が残るもの
  • 一酸化炭素による中毒
  • 火災が発生したこと

小売・修理・設置工事の事業者に報告義務そのものはありませんが、重大製品事故を知ったときに製造・輸入事業者へ通知する努力義務があります(第34条第3項)。「販売しているだけだから関係ない」という運用は、消安法の想定とずれています。

PSCマークのない特定製品は「販売」もできない

消安法第4条は、特定製品について、製造・輸入だけでなく販売の事業を行う者も、所定の表示(PSCマーク)が付されていないものを販売し、または販売の目的で陳列してはならないと定めています。対象品目は施行令の別表で指定されており、仕入れの判断段階で「対象製品かどうか」「マークが付いているか」を確認する必要があります。

越境ECの海外事業者には国内管理人が必要になった

2024年6月に公布された製品安全4法(消安法・電気用品安全法・ガス事業法・液化石油ガス法)の改正が、2025年12月25日に施行されました。海外から日本の消費者へ特定製品を直接販売する海外事業者が「特定輸入事業者」として届け出る場合、日本国内に国内管理人を選任することが求められます(消費生活用製品安全法第6条第2号)。

国内の事業者にとっての含意は2つあります。ひとつは、海外セラーの日本側窓口(国内管理人)を引き受ける立場になれば、検査記録の写しの保存など具体的な義務が生じること(第11条第3項ほか)。「名前を貸すだけ」では済みません。もうひとつは、海外から直販される製品との競争条件が変わることです。販路と表示の整理はネットショップ作成サービス比較も参考になります。

PL保険(生産物賠償責任保険)をどう考えるか

PL保険(生産物賠償責任保険)は、製造・販売した製品や仕事の結果に起因して他人の身体・財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する保険です。

補償されるもの・されないもの

典型例
補償の対象になりやすい被害者の治療費・慰謝料・逸失利益、壊してしまった他人の財物の損害、争訟費用(訴訟費用・弁護士費用など。約款・特約による)
原則として対象外リコール・製品回収に要する費用欠陥製品そのものの損害や交換費用、故意による損害、契約によって加重して引き受けた賠償責任

この2つの「対象外」は、PL法の構造とそのまま対応しています。製品そのものの損害は第3条ただし書によりPL法の守備範囲外(契約責任の領域)であり、リコール費用は他人への賠償ではなく自社が支出する費用だからです。回収費用に備えるには、リコール費用特約や生産物回収費用保険(リコール保険)を別に手当てする必要があります。

「PL保険に入っているから回収費用も出る」は誤解です。実際には、リコールのほうが賠償より高額になることも珍しくありません。

立場別に、どう考えるか

立場PL保険の考え方
輸入業者加入を強く検討すべき。PL法上の責任主体そのもので、海外仕入先に求償できない場合の負担を自社で抱える
PB・OEMで販売加入を強く検討すべき。表示製造業者として責任を問われ得る
純粋な小売・転売PL法の対象外でも、商品起因のトラブルや店頭事故で賠償責任を負う場面はある。施設賠償責任保険など他の保険との組み合わせで検討
海外へ輸出・越境EC国内向けPL保険では海外(特に北米)の訴訟に対応できないのが通常。海外PL保険を別途検討する

加入・更新時に確認する項目

確認項目見るポイント
補償対象の生産物扱う全商品が対象に入っているか。新カテゴリを増やしたら申告が必要
支払限度額1事故あたり・保険期間中それぞれ。想定される最悪ケースに耐えるか
免責金額1事故あたりの自己負担額
対象地域・準拠法日本国内限定か、輸出分を含むか
担保方式損害発生ベースか、賠償請求ベース(クレームメイド)か。事業の切替・廃業時に効いてくる
リコール費用の扱い原則対象外。特約または別保険が必要か
争訟費用支払限度額の内か外か

保険料は売上高・業種・商品のリスク特性で決まるため、一律の相場は示せません。同じ売上高でも、子ども向け製品・食品・電気製品と、事務用品とでは大きく異なります。複数社で見積もりを取って比較してください。

なお商工会議所・商工会・中小企業団体中央会の会員向けには、団体契約の中小企業PL保険制度があり、加入窓口の選択肢のひとつになります。補償内容・対象業種・保険料率は制度や引受保険会社によって異なるため、必ず窓口で条件を確認してください。

事故を防ぎ、起きたときに動ける体制をつくる

PL法に備える安全設計と表示と記録と保険とトレーサビリティ

条文を理解したうえで、実際に手を動かすのは次の6つです。

1. 仕入先との契約で責任分担を決める 品質保証条項、規格・法令適合の表明保証、事故発生時の協力義務、求償の範囲、保険付保義務。海外仕入では準拠法と紛争解決地(裁判管轄・仲裁地)を必ず入れます。取引基本契約書業務委託契約書の考え方が土台になります。

2. トレーサビリティを確保する ロット番号、入荷日、出荷先、引渡日。第5条の10年の起算点の立証にも、リコール時の回収範囲の特定にも直結します。手作業の台帳では追えなくなるため、在庫・受発注システムの導入も検討対象です。

3. 日本語の取扱説明書と警告表示を自社で作り込む 機械翻訳の丸投げをしない。禁止事項、対象年齢、想定される誤使用への警告を明記する。指示・警告上の欠陥は、輸入業者・販売者の裁量で最も減らしやすい領域です。

4. 記録を保管する 仕様書、検査記録、設計指示のやり取り、仕入先とのメール。第4条第2号の抗弁も、第5条の起算点の主張も、記録があって初めて成り立ちます。

5. クレーム受付から報告までのフローを決めておく 誰が一次受付をし、誰が「重大製品事故に当たるか」を判定し、誰が10日以内に報告するか。事故が起きてから決めていては期限に間に合いません(BCPと同じ発想です)。

6. 保険を年1回見直す 取扱商品が変われば補償対象も変わります。「数年前に入ったまま」が最も危険です。

なお、広告表現も無関係ではありません。「絶対に安全」といった訴求は、期待される安全性の水準を自ら引き上げてしまううえ、根拠がなければ景品表示法の問題にもなります(景品表示法とステマ規制広告規制と法務)。

まとめ

PL法の基本対策まとめ

製造物責任法は全6条の短い法律ですが、事業者にとっての意味は明確です。輸入した事業者と、自社ブランドとして名前を出した事業者は、条文上メーカーと同じ責任を負う。そして過失がなくても、欠陥があれば責任が成立する。この2点が出発点です。

そのうえで実務は、①仕入先契約で責任分担を決め、②ロット管理で引渡日を追え、③日本語の取扱説明書と警告表示を作り込み、④記録を残し、⑤PL保険とリコール費用の手当てを分けて考える、という順で組み立てます。保険は「起きた後」の備えであり、「起きにくくする」仕組みとセットにして初めて機能します

株式会社玖柳は発注する側の事業者として、仕入れ・製造委託の契約整理、商品情報とロット管理の仕組み化、ECサイト上の表示の見直しといった実務面をご一緒できます(法的判断は弁護士等の専門家と連携して進めます)。「輸入商品を扱い始めたが、社内の体制が追いついていない」といった段階でもかまいません。お気軽にご相談ください

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よくある質問

輸入した商品でも、輸入業者がPL法の責任を負うのですか?

負います。製造物責任法第2条第3項第1号は「当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者」を『製造業者』と定義しており、輸入した事業者は条文上メーカーと同じ責任主体です。被害者が海外の製造元を日本で訴えるのは現実的でないため、国内に持ち込んだ事業者が正面から責任を負う建て付けになっています(2026年7月時点・e-Gov法令検索で確認)。海外の仕入先に求償できるかどうかは、仕入契約と相手方の資力次第の別問題です。

仕入れた商品を売るだけの販売店もPL法の対象ですか?

単に仕入れて転売するだけであれば原則として対象外ですが、例外があります。製造物責任法第2条第3項第2号は「自ら製造業者として氏名・商号・商標その他の表示をした者」、第3号は「販売に係る形態その他の事情からみて実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者」も『製造業者等』としています。自社ロゴを入れたPB・OEM商品や、製造元名を出さず自社名だけを表示している商品は、責任を問われ得ます。

過失がなくても責任を負うのですか?

PL法第3条は無過失責任を定めており、製造業者等に過失がなくても、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命・身体・財産を侵害したときは損害賠償責任を負います。争点は「注意していたか」ではなく「通常有すべき安全性を欠いていたか」(第2条第2項)に移ります。ただし損害が当該製造物についてのみ生じたとき(製品が壊れただけ)は同条ただし書により対象外で、これは契約不適合責任の領域です。

PL保険に入れば、リコール費用もカバーされますか?

原則としてカバーされません。PL保険(生産物賠償責任保険)が補償するのは、製品の欠陥で他人の身体や財物に損害を与えた場合の『法律上の損害賠償責任』です。自社が製品を回収・交換するために使う費用は賠償責任ではないため、リコール費用特約や生産物回収費用保険(リコール保険)を別に手当てする必要があります。欠陥製品そのものの損害も原則対象外です。

PL法の責任はいつまで追及されますか?

製造物責任法第5条により、被害者等が損害及び賠償義務者を知った時から3年間(人の生命・身体を侵害した場合は5年間)、かつ製造業者等が製造物を引き渡した時から10年で時効消滅します。身体に蓄積して健康を害する物質による損害や、潜伏期間を経て症状が現れる損害は、その損害が生じた時から10年を起算します。引渡日を証明できるロット管理・出荷記録が、そのまま防御手段になります。