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ステマ規制と景品表示法|PR表記のルールと優良誤認・有利誤認をわかりやすく解説

ステマ規制と景品表示法|PR表記のルールと優良誤認・有利誤認をわかりやすく解説

インフルエンサーに商品を送って投稿してもらった。アフィリエイターに紹介記事を書いてもらった。購入者にレビューを頼んで次回使えるクーポンを渡した。どれも珍しくない販促ですが、「PR」と書かせていなかったら違反なのか、そもそも処分されるのは自社なのか投稿した相手なのか、はっきりしないまま進んでいることが少なくありません。

玖柳は制作会社やフリーランスにSNS運用・記事制作・販促物を発注する側として、この線引きを案件ごとに確認しています。発注する立場から、2023年10月に始まったステマ規制と、その土台にある景品表示法を、消費者庁とe-Gov法令検索の一次情報にあたって整理します。

先に要点を3つ。

  • ステマ規制で処分されるのは広告主である事業者で、依頼を受けたインフルエンサーやアフィリエイター自身は規制の対象になりません。
  • 違反かどうかは「お金を払ったか」ではなく、事業者が表示内容の決定に関与したかと、一般消費者から見て事業者の表示だと明瞭かの2段階で判断されます。
  • 2024年10月1日施行の改正で確約手続が導入され、優良誤認表示・有利誤認表示には**100万円以下の罰金(直罰)**が新設されました。課徴金は原則、対象期間の売上額の3%です。

※本記事は2026年7月時点で公開されている法令・告示・消費者庁の公表資料をもとにした一般的な整理です。ある表示が違反に当たるかは、表示物全体の作りや取引の実態によって結論が変わります。個別の広告表現やキャンペーン設計の可否は、弁護士など専門家や消費者庁・都道府県の窓口にご確認ください。

景品表示法の全体像|規制は「表示」と「景品」の2本立て

景品表示法の規制が不当な表示の禁止と過大な景品の制限の2本立てである全体像

景品表示法(正式名称は不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が商品を自主的かつ合理的に選べる状態を守るための法律です。規制は大きく2本立てで、ひとつが不当な表示の禁止(第5条)、もうひとつが過大な景品類の制限(第4条)です。条文はe-Gov法令検索の不当景品類及び不当表示防止法で確認できます(以下、条文の確認は2026年7月時点)。

表示規制は3つの類型に分かれます。

類型根拠中身
優良誤認表示第5条第1号品質・規格その他の内容について、実際のものや競争事業者のものより著しく優良だと示す表示
有利誤認表示第5条第2号価格その他の取引条件について、実際のものや競争事業者のものより著しく有利だと誤認される表示
指定告示第5条第3号内閣総理大臣が指定した表示。無果汁の清涼飲料水等、商品の原産国、消費者信用の融資費用、不動産のおとり広告、おとり広告、有料老人ホーム、ステルスマーケティングの7つ

ここで押さえておきたいのは、規制されるのが「自己の供給する商品又は役務」について表示を行う事業者だという点です(第5条柱書)。自社が売っていない商品について書いた第三者は、そもそもこの条文の名宛人になりません。ステマ規制で広告主だけが処分対象になるのは、この構造から来ています。類型の一覧は消費者庁「表示規制の概要」にまとまっています。

ステマ規制|どこからが違反になるのか

ステマ規制で事業者の表示に当たるかと判別が困難かを2段階で判断する流れ

ステマ規制の正体は、第5条第3号にもとづく指定告示「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」(令和5年内閣府告示第19号)で、2023年(令和5年)10月1日に施行されました。消費者庁はステルスマーケティングは景品表示法違反となりますのページで、「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)」であり「企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません」と明記しています。

ただし、広告主が「事業者の表示であることを明瞭にしなければならない」以上、投稿する側にも事実上の制約は及びます。運用基準もその点を認めたうえで、第三者の自由な表現活動を不当に制約するものではないと説明しています。

該当するかどうかは、次の2つを順に見ます。

  1. その表示が**「事業者の表示」に当たるか**(事業者が表示内容の決定に関与したか)
  2. 一般消費者にとって、事業者の表示であることが明瞭か

「事業者の表示」になる場合・ならない場合

判断の軸は「対価を払ったか」ではなく、客観的な状況から見て第三者の自主的な意思による表示内容と認められるかです。「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準(令和5年3月28日消費者庁長官決定)では、次のように整理されています。

事業者の表示になる例事業者の表示にならない例
第三者にSNSや口コミサイトへ自社商品の表示をさせる第三者が自らの嗜好で自主的に投稿する(複数回の投稿でも同じ)
ECの出店者がブローカーや購入者に依頼してレビューを書かせる商品を無償提供して投稿を依頼したが、第三者が自主的な意思による内容で表示する
アフィリエイターに委託して自社商品を表示させる表示に関する情報のやり取りが直接にも間接にも一切なく、広告主による広告と認められない実態のアフィリエイト表示
他の事業者に依頼し、競合商品を自社と比較して低く評価させる購入者がレビュー機能で自主的な意思にもとづき投稿する
明示的な依頼はないが、今後の取引の実現可能性をほのめかして投稿させるレビューの謝礼に次回割引クーポンを配る場合でも、投稿内容のやり取りが一切ない

見落としやすい点が2つあります。ひとつは対価の範囲で、運用基準は金銭や物品に限らず、イベント招待などのきょう応を含む「対価性を有する一切のもの」としています。もうひとつは自社の従業員の投稿です。販売や開発に関わる役員・管理職・担当チームの一員など、販売促進が必要とされる地位や立場にある人が自社商品を宣伝する投稿をした場合は、事業者の表示に当たり得ます。社内でSNS発信を推奨しているなら、ここは規程に落としておく必要があります。

なお、新聞・雑誌・放送などの媒体事業者が自主的な意思で企画・編集・制作した記事や番組は、通常は事業者の表示になりません。ただし、これまでの取引実態と比べて通常考えられる範囲を大きく超える取材協力費や謝礼が支払われている場合は別で、対象になり得ます。プレスリリースを出す側としても、記事化の「買い方」には注意が要ります。

「広告」「PR」はどこに・どう書けば足りるか

PR表記が明瞭とされる書き方と不明瞭とされる置き方の違いを確認するポイント

明瞭かどうかは、表示内容全体から一般消費者が分かるかで判断されます。運用基準が明瞭と認められる例として挙げているのは、次の2つです。

  • 「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった文言による表示
  • 「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章による表示

逆に、言葉としては書いてあるのに不明瞭とされる例が細かく列挙されています。実務ではこちらのほうが重要です。

不明瞭とされる例起きがちな場面
事業者の表示である旨が部分的にしか書かれていない複数商品を紹介し、一部にだけPRを付ける
冒頭に「広告」、文中に「第三者としての感想を記載しています」と書き、どちらか分からないひな型を継ぎ足した結果の矛盾
動画で認識できないほど短い時間しか表示しない。長い動画で冒頭以外(中間・末尾)にだけ表示する動画広告のテロップ
一般消費者が事業者の表示だと認識できない文言を使う略語や独自表記
視認しにくい末尾の位置に表示する記事の最下部にだけ注記
周囲の文字と比べて小さく表示し、認識しにくくなっている注釈サイズのPR表記
長文による表示、周囲より小さい文字、他の文字より薄い色で認識しにくい本文に紛れさせる
大量のハッシュタグを付した文章の中に埋もれさせるSNS投稿の末尾にタグと並べて置く

つまり、**「PRと書いたか」ではなく「読み手が最初に気づくか」**が基準です。SNSなら本文の冒頭、記事なら本文が始まる前の位置に、周囲と同じかそれ以上の大きさで置くのが安全側の運用になります。動画なら冒頭に、認識できる長さで出します(YouTube活用TikTok活用でも同じです)。

自社サイト・アフィリエイトサイトの扱い

事業者自身のウェブサイトでの表示は、通常は事業者の表示であることが明らかなので、告示の対象になりません。ただし例外があり、専門家や一般消費者など第三者の客観的な意見のように見せながら、実際は自社が依頼・指示して書かせた、あるいは自社で作成したというページは、事業者の表示であることを明瞭に示す必要があります。運用基準は「弊社から◯◯先生に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。」といった表示を例に挙げています。LPの作り方でいう「お客様の声」「専門家監修」の見せ方に直結する話です。

アフィリエイトについては、アフィリエイトサイトに当該事業者の表示である旨を記載していない場合が該当例として明示されています。一方、複数の商品やサービスの価格・内容を比較するアフィリエイトサイトで、サイト自体が事業者の表示であることが明瞭になっている場合は、掲載している全商品に個別記載する必要はないとされています。

広告主の責任という点では、消費者庁のインターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項が、アフィリエイト広告も広告主が表示内容の決定に関与していれば(アフィリエイターに決定を委ねている場合を含め)広告主が行った表示として扱われ、アフィリエイター自身は商品を供給する者ではないため景品表示法上の問題は生じない、と整理しています。成果報酬で任せきりにしても、責任は発注者に返ってくるということです。口コミの集め方は口コミ・レビュー活用、SNS運用を外に出す場合の注意はSNS運用代行の依頼ガイドで整理しています。

優良誤認・有利誤認|No.1表示・二重価格・打消し表示

No.1表示の根拠と二重価格表示の期間基準と打消し表示の見え方を点検する流れ

ステマ規制と違い、優良誤認・有利誤認は課徴金と直罰の対象になります。中小企業がつまずきやすい3つを押さえます。

No.1表示と不実証広告規制

「業界No.1」「顧客満足度No.1」は典型的な優良誤認のリスク領域です。消費者庁が2024年9月26日に公表したNo.1表示に関する実態調査報告書は、主観的評価によるNo.1表示が合理的な根拠と認められるには、少なくとも次の4つを満たす必要があるとしています。

  1. 比較する商品等が適切に選定されていること
  2. 調査対象者が適切に選定されていること
  3. 調査が公平な方法で実施されていること
  4. 表示内容と調査結果が適切に対応していること

イメージ調査でNo.1の称号を付与するタイプのサービスを利用した場合、この4点のどこかで崩れることが少なくありません。しかも景品表示法第7条第2項の不実証広告規制により、消費者庁から裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められて期間内に出せなければ、その表示は優良誤認表示とみなされます(課徴金の場面では第8条第3項により推定)。根拠資料は、表示を出す前に自社の手元に揃えておくのが原則です。

二重価格表示

「通常価格12,000円→本日8,000円」のような二重価格表示は、比較対照価格に実態がないと有利誤認になります。不当な価格表示についての景品表示法上の考え方(価格表示ガイドライン)は、過去の販売価格を使う場合の判断基準を次のように示しています。

  • セール開始時点からさかのぼる8週間(その商品の販売期間が8週間未満ならその期間)を見て、その価格で販売していた期間が販売期間の過半を占めていれば、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよい
  • ただし、その価格での販売期間が通算して2週間未満の場合、またはその価格で販売した最後の日から2週間以上経過している場合は、これに当たらない

将来の販売価格を比較対照にする「◯月から12,000円」型は、その価格で実際に販売することが確かな場合以外は不当表示のおそれがあるとされています。希望小売価格を使う場合はカタログ等であらかじめ公表されている必要があり、市価を使う場合は競争関係にある相当数の事業者の実際の販売価格を正確に調査することが求められます。詳細は消費者庁「二重価格表示」を確認してください。

打消し表示

「初回0円」「いつでも解約可」のような強調表示に例外や条件がある場合、その条件を小さく書いた打消し表示で足りるとは限りません。消費者庁の打消し表示に関する実態調査報告書では、動画広告の42.4%が打消し表示の表示時間2秒以下、新聞広告の56.9%が8ポイント未満の小さな文字だったと報告されています。同時に、スマートフォンのWeb広告で注記を「見ない(読まない)」と答えた消費者は70.0%、強調表示からスクロールが必要な位置にある場合は**75.1%**にのぼりました。

報告書の考え方は明快です。原則は打消し表示を行わずに済むよう訴求対象を明確にすること、やむを得ず使う場合は強調表示と合わせた表示物全体として内容が正確に理解される形にすること。強調表示と打消し表示が矛盾していれば、それ自体が問題になります。セールスライティングWeb広告の基本の設計段階で、条件を注釈ではなく本文に持ち上げられないかを先に考えるべきです。

景品規制|キャンペーンの上限額は企画段階で計算する

一般懸賞と共同懸賞と総付景品の限度額を取引価額から確認するキャンペーン設計

景品類とは、顧客を誘引する手段として、取引に付随して提供する物品・金銭その他の経済上の利益です(第2条第3項)。上限は提供方法で変わります。

提供方法取引価額景品類の最高額景品類の総額
一般懸賞5,000円未満取引価額の20倍懸賞に係る売上予定総額の2%
一般懸賞5,000円以上10万円懸賞に係る売上予定総額の2%
共同懸賞金額を問わず30万円懸賞に係る売上予定総額の3%
総付景品1,000円未満200円定めなし
総付景品1,000円以上取引価額の10分の2定めなし

出典は消費者庁「景品規制の概要」懸賞による景品類の提供に関する事項の制限一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限です。補足を4つ。

  • 共同懸賞は、一定の地域における小売業者・サービス業者の相当多数が共同して行う場合などに使えます。ひとつの商店街で行う場合は、中元・年末等の時期に年3回を限度とし、年間通算70日の期間内という条件が付きます。
  • いわゆるカード合わせ(2種類以上の文字や絵を表示した符票のうち、異なる種類の特定の組合せを提示させる方法)は、金額にかかわらず禁止されています。
  • 上限規制の対象外になるものがあります。自己の取引で使う割引券その他割引を約する証票、見本その他の宣伝用の物品・サービス、商品の販売や役務の提供に必要な物品・サービス、開店披露や創業記念の行事で提供する物品などは、正常な商慣習に照らして適当と認められる範囲で対象外です。
  • オープン懸賞(商品購入や来店を条件とせず、広く告知して応募を募る企画)は取引に付随しないため景品類に当たらず、平成18年4月に上限規制が撤廃されています。SNSのフォローと投稿拡散だけで応募できる企画がこれに当たるかは、購入や来店を条件にしていないかで変わります(X(旧Twitter)活用Instagram活用)。

違反したときの処分|措置命令・課徴金・確約手続・直罰

措置命令と課徴金と確約手続と直罰の流れと課徴金の減額加算の条件

措置命令

第7条にもとづき、誤認の排除、再発防止策の実施、同様の違反行為を行わないことなどが命じられます。違反行為が既になくなっていても命じることができ、事業を譲り受けた事業者などにも及びます。命令は公表されるため、実害の中心は取引先と消費者からの信用の毀損です。処分の枠組みは消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?」にまとまっています。

課徴金

第8条第1項により、課徴金対象期間に取引した商品・役務の売上額に100分の3を乗じた額の納付が命じられます。実務上重要な点が3つあります。

  • 対象は優良誤認表示と有利誤認表示だけで、第5条第3号の指定告示に係る表示は除かれます。つまりステマ規制違反だけでは課徴金は課されません(措置命令の対象にはなります)。
  • 表示が該当することを知らず、知らないことにつき相当の注意を怠った者でないと認められるとき、または算定額が150万円未満のときは、納付を命じることができません。150万円は売上額5,000万円に相当します。
  • 課徴金対象期間は、行為をやめた後の一定期間を加えたうえで、3年が上限です(第8条第2項)。

減額・加算のルールも押さえておきます。

制度内容根拠
自主申告調査を予知せずに自ら報告したとき、課徴金額の**50%**を減額第9条
返金措置認定を受けた計画により、購入額の3%以上を一般消費者に返金すると減額。2024年10月からは第三者型前払式支払手段(電子マネー等)による返金も可第10条
繰り返し違反基準日から遡り10年以内に課徴金納付命令を受けていた場合、算定率が3%から**4.5%**へ(1.5倍)第8条第5項
売上額の推計報告を求められて応じない場合、売上額を合理的な方法で推計して命令できる第8条第4項

確約手続(2024年10月1日施行)

令和5年改正で新設された制度です。違反の疑いがある行為について通知を受けた事業者が、是正措置計画を作成し通知を受けた日から60日以内に申請して認定を受けると、その行為について措置命令と課徴金納付命令が適用されません(第26条〜第33条)。争うのではなく自主的に是正して早期に解決する道が用意された、と理解しておくとよいでしょう。

直罰(2024年10月1日施行)

同じ改正で、優良誤認表示・有利誤認表示に対する100万円以下の罰金が新設されました(第48条)。措置命令に従わなかった場合の罰則とは別に、表示行為そのものが直接処罰の対象になります。改正の全体像は令和5年改正景品表示法(概要)で確認できます。

あわせて、適格消費者団体が事業者に対し表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の開示を要請でき、事業者は営業秘密が含まれる場合など正当な理由がある場合を除き応じる努力義務を負う規定も入りました(第35条)。

社内の管理体制と、外注するときの決め事

景品表示法の管理措置義務にもとづき根拠資料とPR明示と確認体制を整える手順

第22条は、事業者に対し景品類の提供と表示を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じる義務を課しています。努力義務ではなく義務です。規模の小さい会社でも、最低限これだけは形にしておきたいところです。

  • 根拠資料を先に集める:効果・実績・No.1・比較対照価格は、表示を出す前に資料を手元に置き、保管期限を決める
  • 表示を出す前に別の目で確認する:担当者以外がチェックする一手間だけで、多くの誤りは止まります
  • PR明示のルールを文書化する:表記の文言、置く位置、文字サイズ、動画での表示時間まで決めておく
  • キャンペーンは企画段階で上限を計算する:告知したあとで景品を減らすのは困難です
  • 相談窓口と是正の手順を決める:指摘を受けたときに誰が止めるかを先に決めておく

外注する場合は、契約と発注書に落とすのが確実です。業務委託契約書には、次のような条項を入れておきます。

決めておくこと書き方の例
PR明示の義務受託者および受託者が起用する第三者は、投稿の冒頭に「PR」と明示する
表現の禁止事項効能効果、No.1、最安値、二重価格の表現は事前承認を要する
根拠資料の提出表示の裏付け資料を納品時に提出し、契約終了後も一定期間保管する
再委託と管理インフルエンサーやアフィリエイターを起用する場合は事前通知と同等義務の承継
是正と削除発注者の求めに応じ、投稿の修正・削除に速やかに応じる

広告運用代行EC運営代行に任せる場合ほど、この整備が効きます。また、化粧品・健康食品・医療・美容などは薬機法や健康増進法、医療広告ガイドラインが重ねてかかります。景品表示法をクリアしても業法で引っかかることがあるので、広告の法律の基礎も合わせて確認してください。通信販売なら特定商取引法の表記、消費者向けの契約条件なら消費者契約法とクーリングオフも関係します。関連するガイドライン類は消費者庁「景品表示法関係ガイドライン等」から辿れます。

まとめ

ステマ規制で問われるのは、依頼した相手ではなく発注した自社です。判断は「対価を払ったか」ではなく「表示内容の決定に関与したか」、そして「読み手にとって事業者の表示だと明瞭か」の2段階で行われます。PR表記は書けばよいのではなく、周囲より小さくない文字で、最初に目に入る位置に置くことが求められます。

優良誤認・有利誤認は課徴金(売上額の3%)と直罰(100万円以下の罰金)の対象で、根拠資料を出せなければ優良誤認とみなされます。キャンペーンの景品は、企画段階で取引価額から上限を計算しておく。この3点を社内の手順に落とせば、事故の大半は防げます。

「PR表記の社内ルールを作りたい」「キャンペーンの景品額を計算したい」「外注先との契約に表示管理の条項を入れたい」といった場面では、発注する側の実務として一緒に整理できます(法的判断が必要な部分は専門家と連携します)。お気軽にご相談ください

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よくある質問

ステマ規制で処分されるのは広告主とインフルエンサーのどちらですか?

広告主である事業者です。消費者庁は「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)」であり、「企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません」と明記しています。景品表示法第5条は自己の供給する商品・役務について表示を行う事業者を名宛人としているためです。ただし広告主が事業者の表示であることを明瞭にする義務を負う結果として、投稿する側にも事実上の制約が及びます。

「PR」はどこにどう書けば足りますか?

運用基準は「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった文言や、「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章を明瞭な例として挙げています。一方、周囲の文字より小さい、薄い色、視認しにくい末尾の位置、長文への埋め込み、大量のハッシュタグへの紛れ込ませ、動画で認識できないほど短い表示時間などは不明瞭とされます。書いたかどうかではなく、読み手が最初に気づくかどうかが基準です。

ステマ規制に違反すると課徴金は課されますか?

ステマ規制違反だけでは課徴金は課されません。景品表示法第8条第1項は課徴金の対象から第5条第3号の指定告示に係る表示を除いており、ステマ規制はこの第3号にもとづく告示だからです。ただし措置命令の対象にはなり、命令は公表されます。表示の中身が優良誤認や有利誤認にも当たる場合は、そちらで課徴金や直罰の対象になり得ます。

課徴金はいくらになりますか?

課徴金対象期間に取引した商品・役務の売上額に100分の3を乗じた額です(第8条第1項)。算定額が150万円未満(売上額5,000万円未満に相当)のときや、表示が該当することを知らず相当の注意を怠っていないと認められるときは命じられません。対象期間は最長3年、自主申告で50%減額(第9条)、10年以内に課徴金納付命令を受けていた場合は算定率が4.5%に加算されます(第8条第5項)。

キャンペーンの景品にはいくらまで出せますか?

抽選などの一般懸賞は、取引価額5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円が最高額で、総額は売上予定総額の2%までです。共同懸賞は最高額30万円・総額3%。購入者全員に配る総付景品は、取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2までです。購入を条件としないオープン懸賞は景品類に当たらず、上限規制はありません。