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プロンプトの作り方・コツ|AIから狙った答えを引き出す書き方

プロンプトの作り方・コツ|AIから狙った答えを引き出す書き方

「生成AIを使ってみたが、思ったような答えが返ってこない」。その原因のほとんどは、AIの性能ではなく プロンプト(指示文)の出し方 にあります。同じAIでも、指示の質が変われば出力の質は大きく変わります。プロンプトとは、AIに「何を・どんな条件で・どんな形で答えてほしいか」を伝える文章のことです。

良いプロンプトを作るうえで、まず押さえたい3点はこれだけです。

  1. 具体的に書く。「いい感じに」では伝わりません。誰に・何のため・どのくらいの長さかを言葉にします。
  2. 文脈(前提)を添える。AIは自社の事情を知りません。業種・対象・状況を先に渡します。
  3. 出力の形を指定する。「表で」「箇条書きで」「200字で」と決めると、そのまま使える形で返ってきます。

この3点を意識するだけで、出力は別物になります。以下では、基本の型・具体化のコツ・良い例と悪い例・社内での使い回し方・やってはいけないことまで、非エンジニアの方が今日から使える形で順に解説します。特定のAIの細かい仕様はモデルやバージョンで変わるため、どのAIでも通じる考え方を中心に扱います。

なぜプロンプトの質で結果が変わるのか

プロンプトの質でAIの出力が曖昧な結果から具体的な成果物へ変わる仕組み

生成AIは、こちらが与えた情報の範囲でしか答えられません。「察してくれない」 のです。「いい感じにして」と頼まれても、相手は何を求められているか判断できず、当たり障りのない一般論を返します。逆に、前提と要望を具体的に伝えれば、驚くほど的確な答えが返ってきます。

イメージしやすいのは、優秀だが自社のことを何も知らない、入社初日の助手 です。能力は高くても、自社の業種も、相手が誰かも、いつまでに何が欲しいかも知りません。だからこそ、最初の指示書(プロンプト)で前提と要望をきちんと渡せるかどうかで、仕事の出来が決まります。

ここを理解すると、「AIが使えない」ではなく「指示を変えれば結果が変わる」と発想が切り替わります。生成AIそのものの全体像や向き不向きを整理したい方は、生成AI比較|ChatGPT・Gemini・Claudeの使い分けもあわせてご覧ください。

プロンプトの基本の型

役割・文脈・指示・制約・出力形式・例示で組み立てるプロンプトの基本型

安定して良い出力を得るには、次の要素を意識して指示文を組み立てます。すべてを毎回入れる必要はありませんが、出力が物足りないときは「どの要素が抜けているか」を確認すると、原因がすぐ分かります。

要素役割
役割AIにどんな立場で答えてほしいか「中小企業の経営支援に詳しいコンサルとして」
文脈・前提状況・対象・制約「BtoB製造業、従業員20名、SNS未経験」
指示(依頼内容)何を・いくつ・どんな条件で「X投稿案を5本、各140字以内、専門用語なしで」
制約やってほしくないこと・条件「煽り表現は避ける、絵文字は使わない」
出力形式どんな形で欲しいか「表形式で、各案に狙いを一言添えて」
例示お手本となる文例「以下の過去投稿のトーンに合わせて」

この要素を一つの文章にまとめると、次のようになります。

あなたはBtoB製造業のSNS運用担当です(役割)。従業員20名でSNS運用は未経験です(文脈)。X(旧Twitter)の投稿案を5本作ってください(指示)。各140字以内、専門用語と煽り表現は避けてください(制約)。表形式で、各案に狙いを一言添えてください(出力形式)。

「役割・文脈・指示・制約・出力形式・例示」。この並びを覚えておくと、メールでも企画でも分析でも、同じ手順で組み立てられます。慣れないうちは、この見出しをメモ帳に書き、空欄を埋めるように作ると確実です。

出力を具体化する5つのコツ

プロンプトで数字・読者・形式・例示・禁止条件を指定して出力を具体化するコツ

型を押さえたら、次は「具体度」を上げます。曖昧な言葉を、誰が読んでも同じ意味になる言葉に置き換えるのがコツです。

1. 数字と固有名で具体化する

「短く」より「100字以内で」、「カジュアルに」より「親しい取引先へのメールのトーンで」。数字・対象・場面を言葉にする ほど、ブレが減ります。「いくつ欲しいか」「誰向けか」「どんな場面で使うか」の3つは、特に効きます。

2. トーン(口調)と読者を指定する

同じ内容でも、相手が経営者か新入社員かで、ふさわしい言い回しは変わります。「誰に向けて・どんな雰囲気で」を最初に決めると、文体が安定します。「中学生にも分かる言葉で」「丁寧だが堅すぎない、対お客様のトーンで」のように、読者像をひとこと添えるだけで十分です。

3. 長さと形式を決める

「表で」「箇条書きで」「見出しをつけて」「200字で」など、欲しい形を明示 します。そのまま資料やメールに貼れる形で出てくるため、後の手直しが大きく減ります。逆に形式を指定しないと、長すぎたり短すぎたりして、整える手間が増えがちです。

4. お手本(例)を1つ見せる

「こういう文体で」と 実例を1つ示す と、AIはトーンや構成を真似てくれます。過去のメールや投稿を貼り付けて「この調子で」と頼むと効果的です。これはあとで触れる「例示(Few-shot)」の入口でもあり、言葉で説明しづらいニュアンスを伝えるのに向いています。

5. やってほしくないことも書く

「専門用語は使わない」「断定は避ける」「絵文字なし」のように、避けたいことを先に伝える と、手戻りが減ります。人は「あれをするな」と言われないと、つい余計なことをするものですが、AIも同じです。望む条件と一緒に、望まない条件も書いておきましょう。

良い例と悪い例で比べる

悪いプロンプトと良いプロンプトでメール・要約・企画・FAQの出力が変わる例

考え方は、実際の業務で見比べると一気に腹落ちします。同じ用件でも、悪い例と良い例でこれだけ変わります。

メールを書いてもらう

悪い例:「お礼のメール書いて」 良い例:「あなたは弊社の営業担当です。先日商談したお客様(製造業の購買担当者)へ、商談のお礼と、次回打ち合わせ日程の確認を伝えるメールを作成してください。丁寧だが堅すぎないトーンで、本文200字程度、件名も付けてください」

悪い例は、相手も用件もトーンも分かりません。良い例は、誰に・何を・どんな調子で・どの長さかが揃っているので、ほぼそのまま使える文面が返ってきます。

長い資料を要約してもらう

悪い例:「これ要約して」(本文を貼るだけ) 良い例:「次の議事録を、会議に出ていなかった上司向けに300字で要約してください。決まったこと・宿題・期限の3点を、それぞれ箇条書きで分けてください。[本文を貼る]」

悪い例は、誰向けにどこを重視するかが不明で、ただ短くなった文章が返ります。良い例は、読者と「何を知りたいか」を指定しているので、そのまま報告に使える要約になります。

企画・アイデアを出してもらう

悪い例:「集客のアイデアちょうだい」 良い例:「あなたは中小企業の集客に詳しいマーケターです。従業員10名の地域工務店が、予算をかけずに新規問い合わせを増やす施策を5つ提案してください。各案にメリットと、始めるときの注意点を添えて、表形式で出してください」

悪い例は一般論しか出ませんが、良い例は自社の規模・業種・制約を渡しているので、現実的に検討できる案が並びます。

FAQ(よくある質問)を作ってもらう

悪い例:「FAQ作って」 良い例:「次のサービス説明をもとに、想定される問い合わせをQ&A形式で7問作ってください。お客様は初めて外注を検討する中小企業の担当者です。回答は各100字程度、専門用語は避けてください。[サービス説明を貼る]」

悪い例は、何についてのFAQか分からず手が止まります。良い例は、元情報・読者・問数・長さが揃っているので、そのままサイトに載せられる形で返ってきます。

どの例も、悪い例から良い例への変化は「具体・文脈・形式を足しただけ」です。難しいテクニックは要りません。

段階的に対話して精度を高める

AIへの指示をたたき台から修正して精度を高める段階的な対話

一度で完璧を狙う必要はありません。むしろ、最初の答えを たたき台 にして、対話で詰めていく方が、結果も早く良くなります。これは「壁打ち」とも呼ばれ、AIを相手に考えを整理する使い方です。

進め方はシンプルです。

  1. まず基本の型でざっくり指示し、最初の答えを出してもらう。
  2. 出てきた答えに、「もっと具体的に」「この案を3パターンに」「専門用語を減らして」と修正指示を重ねる。
  3. 方向がずれたら、「いったん戻して、最初の案をベースに直して」と軌道修正する。

修正指示のコツは、「どこを・どう変えてほしいか」をセットで言う ことです。「いまいち」だけでは伝わりませんが、「2番目の案を、具体的な数字を入れて書き直して」なら確実に伝わります。複雑な依頼ほど、「まず構成案を出して」→(確認)→「ではこの構成で本文を」と段階を分けると、軌道修正しやすくなります。

例示とテンプレート化で使い回す

例示とテンプレート化でプロンプトを社内共有して使い回す仕組み

毎回ゼロから書くのは非効率です。うまくいったプロンプトは、例示の活用テンプレート化 で資産にしていきます。

例示(Few-shot)で精度を上げる

言葉で説明しづらいニュアンスは、お手本を2〜3個見せる のが近道です。たとえば社内の問い合わせ分類なら、「『請求書が届かない』→経理、『ログインできない』→システム」のように、入力と出力の組を例として渡してから本番の質問をします。AIはその例にならって、同じ判断基準で答えてくれます。これを「Few-shot(数例を示す)」と呼びます。

テンプレート化して社内で共有する

よく使う業務(メール・要約・企画出しなど)は、可変部分だけ空欄にしたテンプレートにしておくと、毎回安定した品質で使えます。個人の工夫で終わらせず、「使えるプロンプト集」を社内で共有 すると、誰が使っても一定の品質を出せるようになります。月1回「うまくいった指示」を持ち寄って改善する。この積み重ねが、組織全体のAI活用力を底上げします。

そのまま使えるテンプレートは、次の章にまとめました。文章作成を本格的に効率化したい方は、用途別の使い分けを整理したAIライティングツール比較も参考になります。

業務別プロンプトのテンプレート例

メール作成・要約・企画・比較・校正・FAQに使える業務別プロンプトテンプレート

可変部分(〇〇)を書き換えるだけで使えます。コピーして、自社の言葉に置き換えてお使いください。

メール作成

あなたは〇〇(業種)の担当者です。〇〇(相手)に〇〇(用件)を伝えるメールを作成してください。トーンは〇〇、長さは〇〇字程度、件名も付けてください。

長文の要約

次の文章を、〇〇(対象読者)向けに〇〇字で要約してください。重要なポイントを3つ箇条書きで挙げ、それ以外は省いて構いません。[本文を貼る]

企画・アイデア出し

あなたは〇〇の専門家です。〇〇(自社の状況)という前提で、〇〇(課題)を解決するアイデアを5つ提案してください。各案にメリットと注意点を添えて、表形式で出してください。

比較・整理

〇〇と〇〇を、〇〇(観点)で比較し、表にまとめてください。中小企業が選ぶ際の判断材料も、最後に箇条書きで添えてください。

文章の校正・改善

次の文章を、誤字脱字の修正と、より分かりやすい表現への改善をしてください。変更した箇所と、その理由を簡単に説明してください。[本文を貼る]

FAQ作成

次の〇〇(サービス・商品)の説明をもとに、想定される質問をQ&A形式で〇問作成してください。読者は〇〇(対象)です。回答は各〇〇字程度、専門用語は避けてください。[説明を貼る]

資料やプレゼンへの応用はAIで資料・プレゼン作成を効率化する方法、集客・販促での使い方はAIマーケティング活用ガイドが参考になります。ChatGPTを軸に業務へ落とし込む手順はChatGPTを仕事で使い倒す完全ガイドにまとめています。

やってはいけないこと

機密情報入力・出力の鵜呑み・曖昧な丸投げを避けるAI活用の注意点

最後に、避けたい使い方を整理します。プロンプトの巧拙以前に、ここを外すとトラブルや手戻りにつながります。

  • 機密情報を入力する:顧客の個人情報、取引先名や金額などの未公開情報、社外秘の資料は原則入力しない。入力内容の扱いは設定や契約形態で変わるため、迷うものは入れず、固有名詞は伏せ字にして使う(詳しくは生成AIと情報漏洩リスク)。
  • 出力を鵜呑みにする:AIはもっともらしい誤りを返すことがあります。数字・固有名詞・法律や契約に関わる内容は、必ず人が一次情報で確認する。
  • 曖昧な丸投げ:「いい感じに」では伝わりません。具体・文脈・形式を足す。
  • 一度で完璧を求める:複雑な依頼を一発で出させようとせず、段階に分けて対話する。
  • AIだけで完結させようとする:最終判断と責任は人が持つもの。AIは下書きとたたき台を高速に作る相棒、という位置づけが安全です。

社内で安心して使うためのルール作りは、社内のAI活用ルール・ガイドラインの作り方にまとめています。

まとめ

文脈・型・対話・テンプレート化でプロンプトを業務成果につなげるまとめ

プロンプトのコツは、「察してくれない助手に、具体的に・文脈を添えて・形式を指定して指示する」 ことに尽きます。基本の型(役割・文脈・指示・制約・出力形式・例示)を押さえ、対話で詰め、うまくいった指示をテンプレート化して社内で共有する。特定のAIの細かい仕様はモデルやバージョンで変わるので、どのAIでも通じるこの「型」を身につけるのが、いちばんの近道です。

これだけで、生成AIは「なんとなく便利」から「確実に時間を生む戦力」に変わります。何から手をつけるか迷う場合は、中小企業のAI活用ガイド|何から始める?もご覧ください。

AIを自社の業務にどう組み込み、定着させるかを相談したい場合は、業務の棚卸しから一緒に設計できます。お気軽にご相談ください

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よくある質問

プロンプトのコツを一つだけ挙げるなら?

『具体的に、文脈を添えて指示する』ことです。『SNS投稿を考えて』ではなく『BtoB製造業のX(旧Twitter)投稿を5本、各140字以内、専門用語を避けて、表形式で』のように、誰に・何を・どんな制約で・どんな形式で欲しいかを伝えると、出力の質が一気に上がります。AIは前提を察してくれないので、頭の中にある条件を言葉にすることが何より重要です。

長いプロンプトと短いプロンプト、どちらがいい?

目的によります。簡単な質問なら短くて構いませんが、業務でそのまま使える成果物が欲しいなら、役割・文脈・依頼内容・出力形式を含めた、ある程度詳しいプロンプトの方が安定します。ただし一度で完璧を狙う必要はなく、まず指示して、出てきた答えに『もっと具体的に』『3案に』と追加していく対話形式が効率的です。

プロンプトはコピペで使い回せる?

使い回せます。よく使う業務(メール作成・要約・企画出しなど)はテンプレート化し、可変部分だけ書き換えて使うと効率的です。社内で『使えるプロンプト集』を共有すると、誰が使っても一定の品質を出せるようになります。ただし、自社の状況や対象といった固有の文脈は、都度補うと精度が上がります。

同じプロンプトでも、AIによって答えが変わるのはなぜ?

AIの種類やバージョンによって、得意分野・回答の長さ・口調の傾向が異なるためです。細かな挙動はモデルやバージョンで変わるので、特定のAIの仕様を覚え込むより、どのAIでも通じる『型』を身につけるのが実用的です。同じプロンプトを2〜3のAIに投げて、結果を比べてみるのもおすすめです。

プロンプトに入れてはいけない情報は?

顧客の個人情報、取引先名や金額などの未公開情報、社外秘の資料は原則入力しないでください。多くのサービスでは入力内容が学習や品質改善に使われる場合があり、設定や契約形態によって扱いが変わります。判断に迷うものは入れず、固有名詞を伏せ字にするなどして使うのが安全です。